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海外FXで得た利益には税金はかかるのでしょうか?そもそも海外FXでの利益って税金を納める必要はあるのでしょうか?またどのような扱いになるのでしょうか?このページでは、皆さんのこの様な疑問を解決したいと思います。
海外FX初心者の方や、初めて海外FXを検討している方にとっては、一見、海外のFX口座にあるお金ですし、国内にいる自分が税金を支払う必要ってないんじゃないの?と思われるかもしれません。
しかし、海外FXで利益を得た場合もきちんと税金を支払う必要があるのです。
海外のFX会社を利用してトレードを行う上での税金の知識。知らないがゆえに損をしてしまうことは避けたいですよね。ただ、、注意するといっても自身で調べて理解をしようとしてもなかなか厄介に思うことがあるもの事実です。
確定申告とは?

確定申告とは、個人事業主の人や不動産収入などの給与所得以外の報酬を得ている方が「1年間の収入・支出を確定させて、所得税額を計算する一連の手続き」のことです。
毎年、2月になると「確定申告」という言葉を耳にする機会が多くなるのではないでしょうか。国内で収入を得ると、それに対して税金がかかってきます。もちろん海外FXで得た利益も対象です。
自営業をしている方や不動産収入や株取引などの利益を得ている方には馴染み深いかもしれません。一方、サラリーマンの方であれば、年末調整は知っているけれど確定申告は詳しく知らないという方も多いかもしれません。

海外FXの税金と国内FXの税金の違い
一般的に、1年間の利益が、20万円を超えた場合には、確定申告が必要になります。確定申告をすることで、納税する税金の金額が決まってきます。この納税は、総合課税というものになります。
海外FX口座を利用していく際、海外という言葉がついていることから、納税や確定申告をしなくても良い、と考えてしまいがちですが、日本に住んでいる限りは、納税や確定申告は必須になります。この納税に関する情報やお金の動きに関する情報は、銀行などが持っていることになり、納税をしなければ、その状況は国が把握することになります。
海外FXの税金と国内FXの違い

- 海外FXで上げた利益は雑所得、総合課税の対象
- 国内FXで上げた利益は申告分離課税の対象
国内FXの税率は一律20%です。総合課税は以下の累進課税により税額が決まるので、利益が大きくなるほど税金が高くなります、
課税所得額 | 税率 | 税率の内訳 | 所得控除額 |
---|---|---|---|
20万円以上~195万円以下 | 15% | 所得税5%+住民税10% | なし |
195万円超~330万円以下 | 20% | 所得税10%+住民税10% | 97,500円 |
330万円超~695万円以下 | 30% | 所得税20%+住民税10% | 427,500円 |
695万円超~900万円以下 | 33% | 所得税23%+住民税10% | 636,000円 |
900万円超~1,800万円以下 | 43% | 所得税33%+住民税10% | 1,536,000円 |
1,800万円超~ | 50% | 所得税40%+住民税10% | 4,796,000円 |
日本と海外の税金の違い
国内FXと海外FXの違いを税金で見ていくと、国内FXは申告分離課税という扱いになります。こちらの場合は、一律20パーセントと決まっているため、比較的わかりやすいですが、利益が少ない時には、税金の分損をしてしまうこともあります。
総合課税制度とは?
総合課税制度とは、各種の所得金額を合計して所得税額を計算するというものです。
引用:総合課税制度とは?国税庁
一般的に、195万円以下の利益である場合、税率は総合課税のほうが低くなり15パーセントになると言われています。
330万円以下であれば、申告分離課税と同じ、20パーセントになります。これ以上の利益になった場合、税率は最大50パーセントまでいきます。
申告分離課税とは?
一定の所得については、他の所得金額と合計せず、分離して税額を計算し(この点が総合課税制度と異なります。)、確定申告によりその税額を納めることとなります(この点が源泉分離課税制度と異なります。)。これが申告分離課税制度です。
海外FXでは、先ほど紹介したように、総合課税になります。この総合課税については、雑所得と呼ばれることもあります。こちらは、利益によって、税率が変わってきます。
海外FXに関わる必要経費を計算する

節税対策で一番重要なのが、必要経費の計算です。必要経費とは、海外FXをするにあたってかかった費用を示しています。この必要経費を申告すれば、課税対象所得額が減額されるので節税に大変有効です。
海外FXの税金を安くする方法は?

安くする方法はあります!海外FXでも「経費」が認められるのです。
会社経営している方であれば、ピンと来る方も多いと思いますが、副業で海外FXをやっている方でも経費を作ることによって、実際の収入よりも課税所得を低く抑えることで税金を少なくすることができるのです。
となるからです。課税所得は少なくなればなるほど、税金は抑えられるのです。
海外FXの経費になるもの
- 銀行の取引手数料
- セミナー参加費用(交通費含む)書籍、新聞、有料投資情報などの資料代
- 海外FXで使用している部屋の家賃
- 取引手数料
- パソコン購入代
- 携帯料金
- インターネット代
- サーバー代
- 電話代
- 事務用品
これらは当然、海外FXをするのに使った費用である必要があります。
逆に考えると、賃貸マンションに住んでいて、そこで海外FXをしているのであれば、家賃の50%ほどは経費として考えても良いということになります。
この判断が難しいのですが、これらは基本的に税務署がどう考えるか?ということになってきます。心配な方、税金額が大きくなってしまう方は、税理士に相談すると良いでしょう。
注意しなければならないのは、経費を多くすることで課税所得が20万円を切った場合にも、確定申告は必要になるのです。確定申告をして税務署に経費を認められてはじめて税金は0円で良いということになるのです。経費があるから税金は0円だと勝手に判断して、確定申告をしないと税金の申告漏れになってしまいます。
海外FXの税制におけるメリット

年間利益330万円までなら海外FXの税金の方が低い
国内FXでは、どれだけ利益が出ても税率は20%で統一されています。一方、総合課税を導入している海外FXだと税率は利益が増えるごとに上がっていく仕組みです。195万円以下の利益だと、総合課税の海外FXに課せられる税金は15%になります。195万円から330万円までなら、税率は国内FXと同じ20%です。同じ税率でも、海外FXの方が330万円までの利益で税金が低いのは控除が関係しています。
また、海外FXの魅力と言えば、豪華なボーナスがあることです。海外FX会社によっては入金した金額の100%をボーナスバックとして受け取れるところもあります。100万円の入金をすれば、別に取引資金として100万円がFX会社から受け取れるわけです。ボーナスは利益としてカウントされないため、課税対象から外れることになります。これも海外FXにおける税制のメリットです。ボーナスを資金として運用すれば、節税にもつながります。
総合課税は課税される所得額に応じて一定の控除を受けることができます。195万円から330万円までだと97,500円が控除額です。つまり、330万円の年間利益があっても約10万円は利益から差し引くことができるので、課税対象は約320万円になります。そして、控除ができない国内FXで年間330万円の利益を出すよりも税金が安くなります。海外FX初心者がいきなり年間300万円を超える利益を出すのは難しいです。FX初心者にとっては、海外FXの税制度の方が容易であるというわけです。
海外FXの税制におけるデメリット

損益通算・損失の繰り返しができない
海外FXの税制におけるデメリットの一つに、損益通算や損失の繰り返しができないことがあります。これは海外FXの税制が総合課税であり、一年で損益決算が完結してしまうためです。
例:FXで1年目に100万円の損失が発生したと仮定します。2年目に300万円の利益が発生した場合、国内FXの税制だと前年度の100万円分の損失と300万円の利益を合わして確定申告ができます。確定申告で課税対象になるのは300万円になります。海外FXの税制では、前年度の100万円分の損失を繰り越すことができません。どれだけ前年度に赤字が出ていても、今年度の利益は300万円になり、課税対象も300万円になってしまうのです。
国内FXと海外FXは税制が違うので、それぞれの利益と損失を合算することができません。ただし、複数の海外FX会社の口座を開設しているという様な場合には、海外FX会社同士の損益については合算することが可能です。海外FXA社で300万円の利益が出ていても、海外FXB社で300万円の損失が出ていれば、合算して利益が0になり、確定申告の必要性がなくなります。
海外FXは総合課税の税制なので、利益が増えるごとに税率も上がっていく仕組みです。年間に330万円の利益までなら国内FXよりも海外FXの税金の方が低くなっています。しかし、年間695万円の利益を超えると税率は33%まで上がり、このあたりから国内FXの方が税金はかなり少なくなる仕組みです。また、900万円を超えると税率は43%になり、国内FXの税金の2倍になります。
海外FXの税制は、お金に余裕がある人から多く税金を取る仕組みです。利益が少ない人にとってはメリットが大きな税制であるものの、利益が多い人にとっては不利な税制度になります。ただし、年間に1000万円を超えるような利益を得るようになると、個人ではなく法人化をして節税をする方法もあります。利益に準じて、いろいろな節税の選択肢が増えてくるので、状況に応じて対策をしましょう。
海外FXの税金は国内に比べると少し複雑で、稼ぐほどに税金が多くなってしまうのはトレーダーにとってはあまり良いものだとは言えないかもしれません。しかし節税としての対策でき、しっかり理解をして申告・納税を行っていけば最小限にすることもできます。
また海外FXには国内FXにはない、ハイレバレッジであるなど、メリットもたくさんあります。国内より高い税率となってしまっても、国内FXより高い利益を得られる可能性もたくさんあります。正しい税金の知識を身に着け、海外FXの魅力を楽しみましょう!